特定口座と一般口座の違いは? 初めての投資用口座開設で困らないためのポイントをまとめて解説!

投資を始めたい! と思ったら、最初にやるべきことは証券会社や銀行で証券口座の開設です。

でも、ここで証券口座の種類を決めなければいけません。

特定口座、一般口座というような専門的な説明書きを見て、証券口座を開く時点でその違いや使い方をきちんと理解するのを難しく感じる方もいるようです。

そこで、証券口座開設の時点で知っておいてほしいことをまとめてご紹介します。

1.まずは投資にかかる税金について知っておこう

証券会社で口座を開設する場合、または銀行で投資信託用の口座を開設する場合は、一般口座、特定口座(源泉徴収あり)、特定口座(源泉徴収なし)の3種類から選択することになります。

この3つの口座は、主に税金の納め方とそれに付随する金融機関のサービスの違いです。

結局のところ、自分が税金をどのように払うかによって決めることになります。

そこで、まずは投資によって生じる税金について理解しておきましょう。

(1)投資ってどれくらい税金がかかるの?

株や投資信託を売却した時の利益や、配当金や分配金など、投資では利益を得るたびに税金が発生します。

それぞれにどのくらいの税金がかかるのか確認しておきましょう。

① 株の売買による利益

株や投資信託を売却して得た利益は譲渡益と呼ばれ、金額に関わらず一律20.315%が課税されます。

内訳は以下のとおりです。

【内訳】
20.315%=所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%

株や投資信託の売買によって、10万円の譲渡益を得た場合、100,000円×20.315%=20,315円の税金が差し引かれるので、最終的に残る譲渡益は79,685円になります。

譲渡益の課税方式は申告分離課税となり、サラリーマンの給与所得や個人事業主の事業所得とは分けられて、単体で課税されます。

②株の配当金、投資信託の分配金

株の配当金とは、会社の業績によって出た利益の一部を株主に還元するものです。

配当金を受け取った場合に得られる利益は配当所得として、課税対象になります。税率は20.315%です。

課税方式は原則的に源泉分離課税なので、配当金を受け取る時点で税金が差し引かれているので、確定申告をする必要はありません。

投資信託の場合は、決算日になると決められた方針に基づき投資家へ分配金が支払われます。

受け取った分配金は、株の配当金と同じ配当所得になり、配当課税の対象になります。

株の配当金と投資信託の分配金は、源泉徴収された後に他の所得と合算して計算する総合課税を選択することができます。

これにより確定申告ができるようになり、配当控除が適用されることで税金が還付されることがあります。

③公募公社債投資信託

証券口座にお金(円)を預けておくと、証券会社は投資家の資金をMRF(マネーリザーブファンド)というリスクが極めて低い投資信託で運用をします。

そのため、証券口座に円を預けておくだけでも、多少お金が増えていきます。

MRF(マネーリザーブファンド)は公募公社債投資信託にあたりますが、平成28年1月より、金融所得課税の一体化に向けた税制改正に伴い、公募公社債投資信託の分配金・解約金・償還金は、公募投資信託との損益通算が可能になりました。

MRFのほか、MMFは公募公社債投資信託となるので、金融所得一体課税の対象となる特定公社債等に該当します。

公募公社債投資信託は特定口座内で管理できるようになっています。

MRF等の日々決算型の公社債投信は、原則、解約差損益が生じませんので実務上は譲渡損益の計算はなく、分配金は株式の配当等と同様の課税となります。

2、証券口座の種類と納税方法

証券口座でおこなう投資には、上記で説明した税金が発生します。

税金を納めるためには、税額の計算するための取引履歴や利益の計算と、どのように税金を納めるかが問題になります。

証券口座は、そのタイプによって、投資家の納税に関する手間や手続きをサポートしてくれています。

ご自身の意向や計画に合った口座を選ぶようにしてください。

(1)特定口座とは

特定口座とは、証券会社・銀行が投資家に代わって株取引などの損益計算を代行し、確定申告や納税手続きが簡単に行えるようにするものです。

得価額の管理や損益の計算を、投資家に代わって金融機関が行ないます。

1月1日~12月31日までの1年間に行われた特定口座での取引や譲渡所得等を記載した「年間取引報告書」が、翌年の1月末ごろに送られてきます。

確定申告をする場合は、これを利用すると手続きが簡易になります。

特定口座は、さらに「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2タイプに分かれます。

①「源泉徴収あり」は確定申告不要で、納税も金融機関に全てお任せ

「源泉徴収あり」の場合、持っている株を売買したり、配当金が発生して利益を得るたびに、証券会社や銀行がその利益から税金分の金額を差し引き、残った金額が口座に入金されます。

金融機関が投資家に代わって納税をしてくれるので、確定申告や住民税申告をする必要はありません。

「源泉徴収あり口座」の場合、配当所得等も「年間取引報告書」に記載します。

②「源泉徴収なし」なら利益はそのまま、確定申告・納税は自分でする

「源泉徴収なし」の場合、投資で得た利益から税金などは何も引かれずに、そのまま口座に入金されます。そのため、確定申告や住民税申告は自分でする必要があります。

ただし、証券会社や銀行が特定口座年間取引報告書を作成してくれるので、確定申告などの準備や手続きは簡単になります。

(2)一般口座とは

一般口座は、株や投資信託などの投資に関する取引に対して、証券会社や銀行のサポートが一切ない口座です。そのため、一般口座を使った場合、特定口座年間取引報告書は作成されませんし、確定申告や納税もされません。

投資家はその年の1月1日から12月31日までの1年間で行われた一般口座内の全ての取引を見て、売買損益を自身で計算し、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告をする必要があります。

3.特定口座と一般口座のメリット・デメリット

(1)特定口座(源泉徴収あり)のメリットとデメリット

メリット① 確定申告と納税の手間が省ける

証券口座を初めて開設する方や、確定申告や税金などの手続きが難しそうに感じている方には特定口座(源泉徴収あり)がおすすめです。面倒な手続きが一切ないので、初心者でも安心して投資をスタートできます。

取引による損益計算や納税は証券会社・銀行が代わりにやってくれるので、確定申告をする必要がありません。そのため、運用先や運用方法に集中して取り組むことができます。

メリット② いくら利益があっても扶養から外れない

主婦の方のなかには、「株や投資信託で儲かったら扶養家族から外されてしまうのでは?」と心配されている方もいるかもしれません。

特定口座(源泉徴収あり)の場合、投資でいくら利益があったとしても、扶養家族から外れることはありません。

これは、証券会社・銀行が利益から自動的に源泉徴収するので、源泉徴収された利益については所得金額の計算から除外できます。そのため、扶養控除枠を気にすることなく投資ができます。

これは専業主婦の方でも、パート勤務をされている方でも同じです。

ただし、株や投資信託を売却したときに出た損失を翌年に繰り越せる譲渡損失の繰越控除や、他社の証券口座との損益通算をするために確定申告をした場合、扶養控除に影響する可能性があるので注意が必要です。

メリット③ 同じ口座内での損益通算をしてくれる

特定口座(源泉徴収あり)の中で購入した金融商品が複数あり、利益がでたものと、損失がでたものが混在している場合。

証券会社・銀行が損益通算をしてくれるので、損失が出た場合、利益分として先に引かれた税金が還付されます。

損益通算とは、一定期間内の利益と損失を相殺して計算することです。

投資を行って利益(譲渡益や配当など)が出た場合は税金がかかりますが、損失が出た場合には利益から差し引いて計算できます。その分だけ税金を減ることになります。

それでもマイナスになった場合、確定申告を行うことで最長3年間にわたり損失を繰り越して控除できます。

また、配当金と他の金融商品の損失とを損益通算できる、上場株式配当等受領委任契約を結ぶことができるのも特徴です。

ただし、証券会社によって自動的に契約が結ばれるところと、申請が必要なところがあるので、きちんと確認しましょう。

デメリット① 少額投資の場合は無駄な税金を払ってしまうことも

主婦の方で扶養控除枠に入っている場合、38万円が控除額として認められるため、投資の利益について38万円以内であれば非課税になります。

しかし、特定口座の源泉徴収ありタイプでは、すべての取引について利益が出た場合は税金を引かれてしまうので、払わなくてもいい税金を払うことになってしまいます。

また、会社員や派遣社員、パート勤務など給料をもらっている方は、原則、会社が所得税の徴収・納税をしてくれるので自分で確定申告をする必要がありませんが、給料以外の所得が20万円超の場合は、確定申告が必要になります。

ここで問題になるのが、投資での利益が20万円以下の場合。

本来なら納税の必要がないのに、特定口座(源泉徴収あり)を利用すると、年間の利益が20万円以下の場合でも税金を払ってしまうことになります。

このケースに該当する場合は、特定口座の源泉徴収なしのほうがいいといえます。

(2)特定口座(源泉徴収なし)のメリットとデメリット

・メリット① 利益が少額の場合は無駄な税金を払わなくて済む

特定口座(源泉徴収なし)は税金の支払いを抑えることができます。

上述したように、会社から給料をもらっている人や、専業主婦など扶養控除の対象になっている方は、一定の額まで税金を払う必要がありません。

投資する額が少額で、大きな利益を期待していない方は、特定口座(源泉徴収なし)を選ぶと、無駄な税金を払わなくてすみます。

ただし、申告しなくてもよいのは所得税のみで、住民税に関してはきちんと申告しなくてはいけないので注意が必要です。

・メリット② 利益をそのまま再投資できる

特定口座(源泉徴収なし)では、金融商品を売却して得た利益をそのまま再投資できるのもメリットです。

特定口座(源泉徴収あり)では、株の取引をして利益を得るたびに源泉徴収されてしまうので、利益が減ってしまいます。

ですが、特定口座(源泉徴収なし)の場合は、利益をそのまま使うことができるので、より多くの資金を再投資に回せるのです。

そのため、頻繁に売買を繰り返して利益を獲得することを目指している方におすすめです。

・デメリット① 確定申告をする必要がある

特定口座(源泉徴収なし)は確定申告をしなければいけません。

証券会社・銀行が特定口座年間取引報告書を作成してくれるので、その書類をもとに申告できますが、お勤めの方など毎日忙しく過ごしている人にとっては面倒に感じるでしょう。

複数の証券口座や投資信託口座を持っていて、損失と利益が混ざっている場合は損益通算をするために確定申告が必要になります。

・デメリット② 利益が増えると扶養から外れる可能性がある

配偶者控除の対象になっている専業主婦の方が特定口座(源泉徴収なし)を使って、投資で年間38万円以上の利益を得てしまうと、配偶者控除額を超えてしまいます。

そのため確定申告が必要になります。

特定口座(源泉徴収あり)では、源泉分離課税によって証券会社・銀行が納税をしてくれるため、いくら利益があっても確定申告をする必要がありませんでした。

しかし、特定口座(源泉徴収なし)では申告分離課税になるため、証券会社・銀行は納税をしてくれません。

ここで気を付けなければいけないのが、確定申告をしてしまうと投資の利益は所得として捉えられてしまうということです。

つまり、専業主婦が投資の利益で基礎控除の38万を超えてしまうと、所得があるとみなされて配偶者控除から外されてしまうのです。

パート勤務をしている主婦の方は、年収が103万円を超えると、扶養から外されます。

これは、65万円分は給与所得控除を受けられるので、所得が実質38万円以下に収まるからなのです。

問題なのは、投資の利益は給与所得控除を受けることができないという点です。

例えば、パートの年収が103万円の方が、投資で21万円の利益を出した場合、確定申告をすると、パートの所得38万円+投資の所得21万円になるので、所得が59万円になってしまい、配偶者控除の対象外になってしまいます。

この点、利益が38万円を超えても123万円未満であれば、配偶者特別控除という控除を受けることができます。これは、段階的に控除額が少なくなる制度で、所得が123万円に近づくほど控除額が少なくなります。

さらに、合計所得が130万円を超えた場合は社会保険からも外れてしまい、国民健康保険と国民年金に加入しなくてはいけなくなってしまう可能性もあります。

思わぬ利益で税負担を増やさないためにも、特定口座(源泉徴収なし)を使う場合は、投資額と利益のバランスに注意する必要があります。

(3)一般口座のメリットとデメリット

メリット① 少額の利益では税金が抑えられる

一般口座は特定口座(源泉徴収なし)と同じように投資家が自身で確定申告をする必要があります。

会社員など給与所得がある方は、投資利益が20万円以下であれば確定申告をしなくてもよいため、税金を抑えることができます。

メリット② 未公開株を扱える

株式市場に上場していない株は未公開株と呼ばれており、一般口座しか取り扱うことができません。

そのために一般口座を選ぶ方も一定の割合でいるのです。

未公開株は、株式会社を創業した人やその関係者が保有していることがほとんどです。

一部では、日本証券業協会がスタートさせたグリーンシートと呼ばれる市場で取引することができます。

上場前の株を購入することで上場後の値上げを狙えるのがメリットですが、確率は限りなく低く、また詐欺などの話も多いので、知識の少ない方にとってはリスクが高いといえます。

デメリット① 確定申告に必要な年間取引報告書を自分で作る

一般口座は、必要な書類や手続きをすべて投資家自身で行わなくてはならないため、手間がかかります。

とくに、確定申告に必要な年間取引報告書は、1年間に行われたすべての取引を記録しなくてはいけないので、とても面倒です。

金融商品の売買はもちろん、配当金や分配金などありとあらゆる取引記録をひとつずつ確認し損益計算をする必要があります。

そのため、頻繁に取引をする投資家の方にとっては、たいへん手間のかかる作業になります。

メリット デメリット
特定口座

源泉徴収あり

・確定申告が原則不要。取引ごとに譲渡益から所得税と住民税が源泉徴収される

・譲渡損失が発生した場合は譲渡益合計の範囲で還付される

・「特定口座年間取引報告書」が発行され、特例措置等を受ける場合の確定申告がラクになる

・「源泉徴収あり」の譲渡益は、配偶者等の合計所得金額に含めなくてもよい(確定申告をすると、合計所得金額に含まれる)

・特例措置等(譲渡損失の繰越控除制度)を受ける場合には、自分で確定申告が必要
特定口座

源泉徴収なし

・年間取引報告書が発行されるので面倒な計算や準備不要で確定申告できる

・複数の証券会社・銀行で取引をしていても「特定口座年間取引報告書」を使用すれば確定申告がラクにできる

・特例措置等(譲渡損失の繰越控除制度)を受けることが可能

・確定申告が原則必要

・「源泉徴収なしの特定口座」の譲渡益は、配偶者控除や扶養控除等の適用の有無を判定する際の合計所得金額に含まれる

 

一般口座 ・確定申告等により「特例措置等(譲渡損失の繰越控除制度)」を受けることが可能 ・確定申告が原則必要

・「特定口座年間取引報告書」が発行されず、確定申告時の計算は自分でする

 

4.自分に合った口座の決め方と注意点

(1)証券口座を開設する前に口座の種類を決めておく

 証券会社で口座を開設する場合や銀行で投資信託口座を開設する場合、一般口座、特定口座(源泉徴収あり)、特定口座(源泉徴収なし)のいずれかを必ず選ばなければいけません。

そのため、どの口座を開設するかをあらかじめ決めておく必要があります。

ですが、初めて投資をされる方は自分に合った口座がどれなのかは判断が付きにくいですよね。

そのため、まずは自分の状況や、投資額をしっかりと把握することが大切です。

それでも、いざ投資を始めたら違う口座の方がよかった、となることも充分考えられます。

もし、途中で口座を変えたくなった場合でも一定条件で変更することも可能です。

例えば、特定口座(源泉徴収あり)から特定口座(源泉徴収なし)に変更するには、口座内の取引によって売却益や配当金が一度も発生していない状態であれば可能です。

ただし、一度でも口座内で取引が発生していた場合はその年の変更はできません。

変更するには、年が変わるまで待ち、次の年になって取引が何も無い状態になることが条件になります。

変更条件は金融機関によっても異なる場合がありますのでご確認ください。

(2)適正な投資金額を知り、無理のない目的やプランを決めておく

①余剰資金で投資をする

投資を始めるときにまず考えるのが、いくら投資をするのかという点ですよね。

これは、その方の年収や貯蓄によって異なるので一概には言えませんが、余剰資金を使うということを覚えておいてください。

余剰資金とは、いま持っている貯金のうち、毎月の生活費と、生活防衛資金(約半年分の生活費)を引いた残りのお金のことです。

例えば、利益を期待して生活に必要なお金を投資して、もし損失が出てしまった場合、生活が維持できなくなってしまいますよね。

また、売買が成立せず、お金が必要なときに現金化できないことも充分考えられます。

そういったリスクを回避するためにも、投資は余剰金で行うことを考えましょう。

②投資スタイルを決める

投資と一言でいっても投資スタイルはたくさんあります。

その中でも、自分の軸となる投資スタイルを見つけ、それに合った口座を選ぶことが利益を増やすコツになります。

例えば、短期で株を売買して売却益を狙いたい方は、利益をそのまま再投資することができる特定口座(源泉徴収なし)がおすすめです。

また、未公開株で大きな利益を得たいという方は一般口座しか選択肢はありません。

初めて投資をされる方の場合は、確定申告と納税の手間がない特定口座(源泉徴収あり)がおすすめです。

もし、1年目は少額から始めてみて利益を20万以下に抑え、2年目以降に投資額を増やして、20万円以上の利益を狙いたいと思ったら、特定口座(源泉徴収なし)から特定口座(源泉徴収あり)に変更するという計画にすることもできます。

このように、自身が投資をする目的やプランをある程度作っておくことで口座の選択がある程度絞れるようになります。

(3)住民税と所得税は別物。住民税は利益が1円でも出たら申告が必要

特定口座(源泉徴収なし)や一般口座を使い、給与所得のある方なら投資の年間利益が20万円以内だった場合、専業主婦の方は38万円以内であれば、確定申告する必要がありません。

ただし、申告不要なのは所得税のみで、住民税は1円でも利益が出たらお住まいの自治体できちんと申告しなければいけません。

ここで気になるのが、会社員の方が住民税の申告をしてしまうと住民税が上がり、給与以外に所得を得たことが会社にばれてしまう可能性があるということです。

会社にばれたくないという方は、住民税の納付方法を変更することで、回避することができます。

住民税の納付方法は、会社の給与から天引きされる特別徴収と、自分で支払う普通徴収の2種類があります。特別徴収にすると、投資の利益分の住民税も会社に通知されてしまうので、会社に他に所得があることがばれてしまいます。

申告するときに自分で支払う普通徴収を選択すれば、利益分の住民税は住民税納付書として自宅に送付されてくるので、会社にばれることがなく安心です。

(4)専門家に相談するのも有効

「ネットで情報を集めたけど良くわからなかった」という場合は、証券会社や銀行の窓口で直接聞くこともできます。専門の担当者がその人にあった口座を提案してくれます。

また、資金に見合った投資商品なども紹介してくれるので、初めて投資をされる方には勉強になります。

ただし、中には投資家の利益よりも、担当者のノルマ達成のための商品を紹介されることもあります。

また、証券会社や銀行によって取扱っている商品が違うので、その場で即決はせず、一度他社商品と比較することをおすすめします。

金融機関に所属するスタッフではなく、中立の立場で投資のアドバイスをしてくれる人に相談すると、客観的な視点に立ったアドバイスを受けられるので、商品の選択や投資スタイルを誤る可能性を減らせます。

5.少額投資にはNISA(ニーサ)がおすすめ

NISA(ニーサ)に興味を持たれる方も多くなっています。

そこで、NISA口座とは一体どのようなものなのか、まとめてご説明します。

ここまで投資利益にかかる税金や証券口座の種類を検討してきた方であれば、NISA(ニーサ)について理解を深めることで、よりお得な選択肢が増えるといえます。

(1)NISA口座とは?

NISA(ニーサ)口座とは少額投資非課税制度と呼ばれ、年間に決められた投資額の枠中で得た譲渡益や配当金などの利益が非課税になる制度です。

(2)NISAの特徴、種類

NISAには一般NISA、つみたてNISA、ジュニアNISAの3種類があります。

①一般NISA

一般NISAは、投資年間上限額120万円の中で投資して得た利益が非課税になる制度として、2014年の1月からスタートしました。

日本に居住する20歳以上の方なら利用することができます。非課税期間は5年で最大600万円を運用することができます。

投資対象商品は、上場株式や投資信託など種類が豊富なのが特徴です。

②つみたてNISA

つみたてNISAは、2018年1月から始まった非課税制度です。

日本に居住する20歳以上の方なら誰でも利用することができます。

年間投資上限額は40万円と一般NISAに比べて少額ですが、非課税期間が20年あり最大で800万円を運用できるので、長期運用向きになります。

ただし、投資対象商品は金融庁が定めた基準を満たす投資信託など、数が少ないので投資先をよく検討する必要があります。

また、つみたてNISAと一般NISAは併用することができません。

そのため、開設する際にはどちらかを選ぶ必要があります。

③ジュニアNISA

ジュニアNISAは、20歳未満の方を対象とする非課税制度、2016年に始まりました。

日本に居住する0歳~19歳が対象。非課税期間は5年で年間非課税枠は子ども一人につき80万円です。

つまり、こどもが2人いる場合は、1家族あたり年間160万円の非課税枠ができます。

最大で400万円を運用することができます。

ただし、出金は原則として18歳になるまではできないので注意が必要です。

(3)NISAを利用するメリット

NISA口座を利用する最大のメリットは、利益に税金がかからないことです。

例えば、NISA口座で100万円分の株を投資して、価値が200万にあがったときに売却した場合は100万円がそのまま利益になります。利益に対して課税はされません。

これが、もし特別口座(源泉徴収あり)の場合、譲渡益の100万円から20.315%の税金が引かれるので、手元に残るのは796,850円になります。

また、特別口座(源泉徴収なし)や一般口座の場合も、確定申告で同じ金額を課税されます。

それが、一般NISAなら譲渡益の100万円がそのままもらえるのです。

さらにNISA口座での利益は確定申告も必要ないので、いくら利益が出ても扶養控除や健康保険には影響しません。投資額がNISAの枠内であれば活用することをおすすめします。

ただし、NISA口座を利用する際には注意も必要です。

(4)NISAを利用するうえでの注意点は?

①使わなかった分の枠は翌年に繰り越しできない

年間投資額の上限が120万円の一般NISAでは、使わなかった分の枠はその年で消滅してしまいます。

つまり、年間で一般NISA枠を使い80万円分の株を購入し、残りの40万円枠を使わなかった場合、翌年の枠が160万には増えず、120万円からスタートになります。

損益通算ができない

NISA口座は他の口座と損益を通算することができません。

つまり、NISA口座で損失が出た場合は、そのまま損失が確定してしまいます。

他の口座の利益と合算することができないのです。

また、損失を3年間繰り越して利益と損益通算することができる損失繰越もNISA口座ではできません。

③1人1口座しかつくれない、金融機関の変更は年1回のみ

NISA口座は1人1口座しかつくることができません。金融機関によって取り扱っている投資商品が違うので、口座を作る際には注意が必要です。

一般NISAとつみたてNISAであれば年1回金融機関を変更することができます。

ジュニアNISAは金融機関を変更することができないので、注意が必要です。

どうしても変更する場合は、現在の口座を閉鎖して新しく作り直す必要があります。

(5)NISAこんな人におすすめ

①長期投資を考えている方

NISAは年間購入額の上限があるため、短期売買をするとすぐに上限に達してしまいます。

そのため、売買はあまりせず毎年一定額を購入して長期で運用する投資をする方におすすめです。

②配当金や分配金を狙っている方

配当金や分配金も非課税になるので、配当所得の多い商品への投資を考えていらっしゃる方にもNISAは最適です。ただし、配当金などの受け取りは、株式数比例配分方式を選択しないと課税されてしまうので、注意が必要です。

③証券口座が一つしかない方

NISA口座は損失を繰り越す損失繰越や、他の証券口座と損益通算をすることができません。

そのため、証券口座を一つしか持っていなくて投資金額が限度内に収まる方は、利益が非課税になるNISA口座がおすすめです。

6、まとめ

証券会社や銀行で開設する証券口座の種類や違い、NISA口座についてご紹介いたしました。

投資は日常生活に馴染みのない専門用語も多くでてくるので、難しく感じる方も多いですよね。

まずは、証券口座の選び方など大枠が分かれば大丈夫です。とくに初めて投資をする方であれば、面倒な手続きや手間のかからない特定口座(源泉徴収あり)を選ぶのが一般的です。

投資は大事なお金を使うので、不明な点や心配な点があれば、まずは専門家にアドバイスをもらうことをおすすめします。

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