副業や投資で得た収入にかかる税金は? 収入の種類や税率、申告の方法を理解して早めの対策をしよう!

確定申告

 

原則として、所得があった場合には、申告をして税金を払う義務があります。

 

会社員の方は、給料に対して、会社で税金を計算し、月々の給料から税金を源泉徴収して納付してくれます。年末に1年分の収入と照らし合わせて、税額の差額分を調整する、いわゆる年末調整がおこなわれていれば、自分で確定申告をする必要がありません。

 

ところが、会社からの給料以外にも所得があった場合、その所得については、自分で申告し、税金を納めなければいけないのです。

 

一概に所得といっても、所得はいくつかの種類に分けられ、所得によっては経費が認められたり、申告が必要ないものもあります。

 

このように所得の種類や計算方法を知っておかないと、確定申告の内容に誤りが生じてしまうおそれもあります。

 

ここでしっかり所得と確定申告の内容について、理解を深めていきましょう。

 

 

 

1、所得税の基本

 

日ごろから、「所得税」や「確定申告」という言葉をよく聞きますが、実際に自分で所得税の計算をしたり、確定申告をしたりするのは、たいへんな面もあります。

 

まずは、所得税や確定申告の基本的な決まりから理解し、自分のケースに当てはめて計算していきましょう。

 

 

1)所得税及び復興特別所得税の確定申告とは

 

所得税及び復興特別所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額とそれに対する所得税等の額を計算し、申告期限までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続です。

 

平成25年分から平成49年分まで、東日本大震災からの復興を図るための施策に必要な財源を確保するため、復興特別所得税を所得税と併せて申告・納付することとされています。

(引用:国税局HP)

 

2)所得税の納税義務者と課税対象の範囲

 

①納税義務者は?

 

所得税法では、所得税の納税義務者を居住者、非居住者、内国法人、外国法人の4つのグループに分けてそれぞれ納税義務を定めています。

 

ここでは、納税義務者となる居住者と非居住者について説明します。

 

・居住者の課税所得の範囲

 

居住者とは、日本国内に住所があるか又は現在まで引き続いて1年以上居所がある個人です。

 

居住者は、「非永住者以外の居住者」と「非永住者」に分かれます。

 

a)非永住者以外の居住者

 

非永住者以外の居住者は、所得が生じた場所が日本国の内外を問わず、その全ての所得に対して課税されます。一般的にはほとんどこのケースに該当します。

 

b)非永住者

 

居住者のうち日本国籍がなく、かつ、過去10年以内の間に日本国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年以下である個人を非永住者といいます。

 

非永住者は、所得税法に規定する国外で生じた所得(国外源泉所得)以外の所得と、国外源泉所得で日本国内において支払われ、又は日本国内に送金されたものに対して課税されます。

 

・非居住者の課税所得の範囲

 

居住者以外の個人を非居住者といいます。非居住者は、日本国内において生じた所得(国内源泉所得)に限って課税されます。

 

 

②納税対象の範囲は?

 

納税義務者は、1年間に生じた全ての所得の金額を申告しなければいけません。

 

所得とは、収入(実際に入ってきたお金)ではなく、必要な経費をすべて引いた純利益の部分です。

 

つまり、お金が入ってきたとしても、必要経費の方が多くかかっている場合は、所得はないことになりますので、申告の必要はありません。

 

 

さらに所得から所得控除が引かれた金額が課税所得になります。つまり、所得控除分が引かれたときに0円以下になる場合も確定申告は不要です。

 

 

ところが、会社員の方など給与所得者は、会社がもろもろの控除を計算していますので、会社の給料以外の所得がある場合には、会社以外の所得の分を合わせて税額を計算する必要があります。そのため自分で確定申告をしなければなりません。

 

このように、会社員の方、個人事業者の方、主婦やパート勤務の方それぞれによって、申告が必要かどうかの基準が異なりますので、以下、それぞれの場合に分けて解説していきます。

 

 

2、確定申告が必要になるのはどんな場合?

 

1)会社から給料をもらっている人(給与所得者)

 

給与所得がある方は、ほとんどの方が年末調整により所得税及び復興特別所得税が精算されるため、確定申告は不要です。

 

ただし、給与所得者でも確定申告をしなければならない場合があります。

 

 

①確定申告をしなければならない方

 

給与所得者でも、次のような方は確定申告をしなければなりません

 

  1. a) 給与の収入金額が2,000万円を超える方
  2. b) 給与所得や退職所得以外の所得金額(収入金額から必要経費を控除した後の金額)の合計額が20万円を超える方
  3. c) 2か所以上から給与の支払を受けている方

 

 

会社に勤務している方で、副業での所得や投資による所得については、会社内で申告・納税できないため、自分で確定申告をしなければいけません。

 

 

②「20万円ルール」と「2か所以上から給与」のちがい

 

会社員で、副業からの所得が20万円以下であれば、申告をする必要がありません。たとえば、物販をしたり、人になにかを教えたりして、年間に25万円の副業収入があっても、経費が10万円かかっていれば副業からの年間所得は15万円になるので、確定申告は不要です。

 

ただし、これは副業が給与所得以外の場合になります。副業がパートやアルバイトの形態で、給料を受け取っている場合は、上記3の「2か所以上から給与の支払を受けている方」に該当しますので副業からの給料が20万円以下であっても、確定申告をしなければいけません。

 

 

2)個人事業者(フリーランス)

 

個人事業者(フリーランス)の方は、1年分の所得について、自分で確定申告します。

 

所得とは、事業による売上から必要経費を差し引いた額になります。

 

「1年間の収入 − 仕入高や必要経費 = 所得」

 

個人の方には誰にでも基礎控除額が認められるので、所得が基礎控除額(38万円)未満の方は、所得がないことになり、確定申告は不要です。

 

また、その他の控除額がある方で、すべての控除額の合計よりも所得が少ない場合も、確定申告をする必要がありません。

 

 

3)専業主婦やパート勤務の方

 

パートで勤務をしている主婦の方の場合、年間の給与所得が103万円以下であれば、申告の必要がありません。

 

これは、基礎控除38万円+給与所得控除65万円が認められるためです。年間の給与支給額が103万円未満の場合は、給料から所得税を源泉徴収しなくてもいいことになっていますので、年末調整がおこなわれなくても、確定申告は不要です。

 

ただし、副業によりパートの給料以外に20万円を超える所得がある場合は、申告をする必要が生じます。

 

また、専業主婦の方は、副業により基礎控除分の38万円を超える所得が発生すれば、申告をしなければなりません。

 

 

3、所得税の計算のながれ

 

所得税の計算の流れは以下のようになります。

 

①所得を10種類に分類し、それぞれの所得金額を計算する

②各所得金額を合算して、課税標準を計算する

③課税標準から所得控除(14種類)を差し引いて、課税所得金額を計算する

④課税所得金額に税率をかけて所得税額を計算する

⑤所得税額から税額控除を差し引いて申告税額を計算する

 

 

 

1)総合課税と分離課税の違い

 

所得税の課税方法には複数の所得を合算して税額を確定する総合課税と、他の所得とは分けて税額を確定する分離課税があります。

 

・分離課税にあたるもの

退職所得、山林所得、譲渡所得(土地、建物、株式)

 

 

課税方法は所得区分によって分けられており、副業に関係する所得区分のうち、総合課税に分類されるのは給与所得、事業所得、不動産所得、雑所得になります。

 

その他、配当所得の中で源泉分離課税に該当しないもの、譲渡所得の中で株、不動産を除くものも該当します。

 

また、株や投資信託、不動産を売却したときの譲渡所得は分離課税となり、事業所得や給与所得とは別に税率を計算することができます。

 

 

2)株取引や先物取引、外国為替証拠金取引、投資信託などで確定損失が出た場合

 

一般口座や特定口座の損失を翌年以後に繰り越すためには、確定申告が必要です。

翌3年以内の確定利益と相殺して納税額が決まります。

 

ただし、少額投資非課税制度(NISA口座)は損益通算の対象にはなりません。

 

4、副業、副収入に関する所得の種類を知ろう

 

 

 

 

 

 

 

まずは、副業で得られる収入について、その種類と内訳についてみていきましょう。

 

1)所得の区分は10種類に分かれる

 

所得とは、収入金額から必要経費や控除を差し引いたあとの金額のことを言います。

所得は以下の10種類に区分されています。

 

【所得の種類】

利子所得 配当所得
不動産所得 事業所得
給与所得 退職所得
山林所得 譲渡所得
一時所得  雑所得

 

2)副業や副収入に関連する所得は?

それでは、副業するときに関係する所得を見ていきましょう。

 

①給与所得

勤務先からもらう給料や、ボーナスのことを言います。正社員の人はもちろん、アルバイトやパートタイマー、派遣などの雇用形態でも、企業に雇われて給料をもらっている場合は給与所得になります。

 

給与所得にあたるもの

本業とは別の会社で雇われて、パートやアルバイト、派遣で働いて収入を得るタイプの副業です。

 

たとえば、カフェやショップで働いたり、空き時間で違う会社に勤務したり、派遣スタッフとして土日や夜間に特定の場所へ行って仕事をするスタイルです。

 

副業として、このようなダブルワークを選ぶ方も多いでしょう。パート・アルバイト・派遣でも、本業の会社とは別に給料をもらっている場合は、「2カ所以上から給料をもらっている方」になりますので、確定申告をする必要があります。

 

 

②事業所得

個人事業主(フリーランス)として事業を営んでいる人が、その事業から得ている収入になります。事業所得として認められるには、事業が社会的に独立していて、継続的に運営しているなど、客観的に見て事業と言えるものであることが前提です。

 

事業所得にあたるもの

個人事業、フリーランスとして活動している方の所得は、事業所得になります。ただし、継続的な収入がないと事業所得とみなされず、雑所得に区分されてしまうことがあるので注意が必要です。

 

今ではランサーズや、クラウドワークスなどのアウトソーシングサイトが普及しており、インターネットがあれば仕事を受注できるので、自宅に居ながら様々な副業をすることができます。アウトソーシングサイトを使って、デザインや原稿作成などを継続的にしている場合や、自宅でサロン・教室を運営している場合もこれにあたります。

 

また、メルカリなどのオークションサイトを使って、自分が作った雑貨や仕入れた商品を販売している場合も、事業所得になります。

 

ただし、不用になった生活必需品を、「捨てるのがもったいないから」という理由で出品・販売した場合は、事業にあたらず、非課税所得となります。

 

この線引きは難しいところですが、たとえば自分で編んだセーターが出来上がったときに、「柄が気に入らないから他の人にあげよう」と販売するのは非課税ですが、最初から販売が目的で作っていれば、事業所得または雑所得になります。

 

 

③不動産所得

土地やアパート、マンション経営など、不動産を持っている人がそれらを貸すことで得た家賃収入や地代収入のことです。不動産を売却した所得は、譲渡所得区分になり、不動産所得には入りません。

 

不動産所得にあたるもの

所持している不動産を賃貸して得る収入です。賃貸用のマンションを誰かに貸して家賃収入を得たり、持っている土地を貸して、地代収入を得る場合がこれにあたります。

 

最近では、自宅の一室をカウンセリングルームや貸サロンとして、時間単位で貸しているケースもあります。時間が拘束されず、ローンを組みやすいという理由で、会社員の方が不動産投資を始めるケースも増えています。

 

 

④雑所得

他のどの所得区分にも該当しない所得のことです。一時的に得た所得などがこれにあたります。

 

雑所得にあたるもの

本や音楽などの印税や、アフィリエイト収入、仮想通貨の利益などが雑所得になります。事業所得として認められなかった単発の報酬は、雑所得に分類される可能性があります。

 

アウトソーシングサイトを通じて請け負った仕事の報酬や、ブログやホームページを運営して広告紹介料をもらうアフィリエイト、転売や自作商品を販売する、一時的に記事やコラムを執筆して収入を得る場合がこれにあたります。

 

最近は、公共Wi-Fiやモバイル端末の通信速度の向上など、インターネット環境が整ってきているおかげで、パソコン1台あれば在宅でも仕事ができる副業として人気があります。

 

 

⑤譲渡所得

株や投資信託などの金融商品、または、土地や建物などの不動産を売却したときに得た所得のことになります。

 

譲渡所得にあたるもの

株や不動産などの資産を保有し、価値が上がったときに売却して収入を得る場合が該当します。

 

譲渡所得は、他の所得とは別に課税される「分離課税」になります。金融機関で開設する口座によって、源泉分離課税と申告分離課税に分けられます。

 

源泉分離課税の場合は、売却益から自動的に税額分が差し引かれていますが、申告分離課税を選択した場合は、1年間の取引で発生した利益について申告しなければなりません。

 

 

⑥配当所得

株の配当金や、投資信託の分配金を受け取った場合の所得のことをいいます

 

配当所得にあたるもの

たとえば、株や投資信託を長期で保有して、定期的に入ってくる配当金や分配金で収入を得る場合がこれにあたります。

 

その配当金や分配金は課税対象になっていて、規定の所得税と住民税を納める必要があります。ですが、配当金が発生した場合は自動的に源泉徴収をされるので、基本的には確定申告をする必要がありません。

 

NISA口座を使えば、源泉徴収されずそのまま収入になりますし、確定申告も不要です。

 

 

5、課税所得金額の計算方法

1)所得分類ごとに収入をまとめる

 

まずは自分が得た所得がどの所得区分なのかを把握し、区分ごとに収入をまとめます。所得区分によって課税の扱いが違うため、この作業が大切になります。

 

例)1年間の収入が以下の場合

本業の会社員 給与所得 300万円
副業のアルバイト 給与所得 100万円
賃貸マンションからの家賃収入 不動産所得 50万円
貸している土地からの地代収入 不動産所得 50万円
株の譲渡益 譲渡所得 25万円

 

 

これを所得区分ごとに合計すると。以下になります。

 

 

給与所得   400万円
不動産所得  100万円
譲渡所得    25万円

 

 

2)経費が認められる所得

 

10種類の所得には、経費が認められるものと認められないものがあります。

 

会社員の副業で経費が認められる所得は、事業所得、不動産所得、雑所得の3つになります。副業がパートやアルバイトの場合は、給与所得に該当するので経費は認められません。

 

①経費の計上のしかた

 

所得金額とは売上から経費等を差し引いたもうけです。経費の額が大きくなれば、所得額が減少し、税額も低くなります。そのため支出のうちどの範囲までを経費として認められるかが、重要になります。

 

②証拠書類の保存

 

また、経費として使った金額は、それを証明するための証書類も保管しておかなければいけません。基本的には、所得を受けるために必要になった支出として認められるものでなければ、経費として計上できません。その判断をするためにも、「なにに使ったのか」「いつ使ったのか」という証拠が大事になるのです。

 

経費として計上したレシートや領収書は、青色申告の場合は7年、白色申告の場合は5年、または7年保管が必要です。

 

 

3)経費として計上できるもの

 

副業で自宅の一室を仕事用の部屋として使用しているケースの場合、どこからどこまでが副業の仕事の経費になるかを明確に分けることが難しいものもあります。

 

最初にやることは、間違いなく経費にあたるものを算出することです。間違いなく経費にあたるものは、払った金額の100%を経費として計上できます。

 

そのあとで、払った金額の何割かが経費にあたる場合を計算していきます。

 

 

まずは、業務を遂行するうえで発生する費用の例をご紹介します。

 

ここでは自作の商品をインターネットで販売した場合や、自宅の一室を使ってエステサロンを運営している場合、不動産賃貸で家賃収入がある場合を例にしています。

 

 

①業務を遂行するうえで発生する費用の例

 

副業の業種 経費の内容 具体例
自作の商品をインターネットで販売 素材、仕入れ 販売する商品の仕入れや制作に必要な素材
梱包資材 商品を発送する際に梱包する資材
配送費 商品を指定の場所へ配送する費用
保管費 商品を傷や汚れがつかないように保管する場所にかかる費用
広告費 ネットやチラシなどに掲載した際の広告料など
自宅の一室を使ってエステサロンを運営 エステで使用する機器や化粧品類 オイル、洗顔料など
クリーニング費 エステで使用するタオル類または部屋の掃除に使用するもの
広告費 インターネット広告の費用、ポータルサイトの掲載料など
通信費 インターネット代など
不動産投資で家賃収入がある 税金 固定資産税や都市計画税、不動産を購入時の不動産取得税、収入印紙代など
保険料 火災保険、地震保険など
業務委託料 不動産管理会社に払う業務委託料
司法書士・税理士報酬 不動産登記を司法書士に依頼したり、確定申告を税理士事務所に依頼する費用

 

この他にほかにも、業務上発生する費用には以下のようなものがあります。

 

 

【自宅兼オフィス・サロンの場合】

 

・消耗品費

10万円未満のオフィスの消耗品や事務用品などは経費として計上することができます。

 

・旅費交通費

得意先への訪問にかかった電車賃やタクシー代、駐車場代は経費に計上することができます。また、出張でかかった飛行機代や宿泊代も経費になります。

 

・接待交際費

お客様との飲食代や、来客時のお菓子代などは経費として計上できます。

 

・修繕費

事業で使用しているオフィスや自宅兼オフィスに使用している建物、自動車、パソコンの修理代は経費として計上できます。

 

・減価償却費

購入代金が10万円を超えるパソコンや、オフィス用の什器などは固定資産となり減価償却をします。その場合、償却分を経費として計上することができます。

 

・雑費

どの科目にも当てはまらない少額の経費です。

便利なので、細かい出費は雑費にしてしまいがちですが、金額が大きくなると税務署の調査対象になってしまうことも考えられるので注意が必要です。

 

 

【不動産所得で計上できる経費】

 

・保険料

マンションやアパートなどの火災保険や地震保険などの保険料は経費として計上することができます。

 

・修繕費

賃貸している物件の内装をリフォームしたり、破損したキッチンやトイレの修理、畳の張り替えなどの費用は経費になります。

 

・消耗品費

書類の作成に必要なパソコンや、印刷するためのプリンター、物件撮影用の機材は経費として計上することができます。

 

・ローン利息

物件を取得するために借りた金額の内、返済に上乗せされる利息部分は経費として計上することができます。元本は経費にはなりません。

 

・減価償却費

建物の減価償却費も経費として計上することができます。構造によって償却年数が違い、木造は22年、重量鉄骨34年、鉄筋コンクリートは47年になります。

 

建物の減価償却費は経費の中でかなりの割合をしめるので、上手にコントロールすることが所得を抑えるポイントになります。

 

・通信費

業者との打ち合わせでスマホを使ったり、物件探しのためにインターネットを使った場合は、通信費として経費を計上することができます。

 

・交通費

新しい不動産を見に行くための移動や、賃貸しているマンションを見に行くための移動などにかかった電車代やタクシー代は経費として計上することができます。

 

・広告宣伝費

入居者を募集するための広告費や、不動産業者に依頼した広告費や仲介手数料は経費になります。

 

・新聞図書費

住宅情報誌や、運用に関する書斎などを購入した場合の費用は経費にすることができます。

 

・接待交際費

不動産会社との打ち合わせで食事した費用などは経費に計上することができます。しかし、税務調査でチェックされやすい項目でもあるので、金額が大きくならないように注意が必要です。

 

 

②何割かは経費にあたるもの

 

自宅の一室を仕事場にしている場合、光熱費や家賃等は、仕事用とプライベート用とを明確に分けることができません。請求も一括でくることがほとんどですので、計算によって分類することになります。

 

自宅兼オフィスの場合、オフィスで使っている分のみを計算して経費として計上します。この比率で経費を計算することを家事按分(かじあんぶん)といいます。

 

 

「仕事に使っている金額=支払金額×仕事で使っている割合(事業割合)」

 

例)

1月の家賃 200,000円

自宅総面積 100㎡

仕事場の面積 30㎡

 

経費になる金額は、

200,000円×(30㎡/100㎡=30%)=60,000円です。

 

事業割合について、何割を仕事で使っているかを明確にするのは難しい面もあります。どうしてもわからない場合は、専門家に相談しましょう。

 

家事按分になる経費には、以下のようなものがあります。

 

・家賃

オフィスの家賃や更新料などを経費として計上することができます。また、自宅兼オフィスの場合は、家賃や住宅ローンの支払利息を、オフィスで使用している床面積で計算して、経費として計上する家事按分になります。

 

・租税公課

事業で使用している自動車にかかる自動車税や、オフィスで使用している建物の固定資産税も経費として計上することができます。自宅兼オフィスの場合の固定資産税は、オフィスで使っている床面積分のみを経費として計上する家事按分です。

 

・保険料

事業で使用している自動車の自賠責保険、オフィスの火災保険なども経費として計上できます。

 

・水道光熱費

オフィスで使用している、電気、ガス、水道などの公共料金や、暖房に使用した灯油代なども経費として計上できます。自宅兼オフィスの場合は家事按分になります。

 

 

 

6、控除額の計算方法

 

 

 

 

 

 

 

副業の収入から必要経費を引いて所得金額が確定したら、次は所得金額から各種控除を差し引きます。

 

副業で使える代表的な控除と金額は以下になります。

 

 

1)給与所得控除

 

副業がパートやアルバイトなど、企業に雇われて給与をもらっている場合は、本業と副業の給与所得を合計した金額から、一定額の控除を受けることができます。

 

給与所得控除は、事業所得でいう経費のような扱いになりますが、経費のように細かくすると煩雑になってしまうため、給与所得の金額に応じて率が決まっています。

 

平成29年分~平成30年分は下記になります。

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超  3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超  6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超  10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

引用元:国税庁

 

2)青色申告特別控除

 

副業で事業所得や不動産所得があり、青色申告をしている場合は、青色申告特別控除として所得から65万円または10万円の控除を受けることができます。

 

 

3)所得控除

 

生命保険を支払った金額や、配偶者や生計を共にしている家族が病院にかかったときに支払った医療費なども、所得控除として所得から引くことができます。

 

 

 

7、税額を確定する

 

 

 

 

 

 

1)税金の種類

 

所得税や住民税など、言葉としては良くでてきますが実際にどういう税金なのかは詳しく知る機会が少ないと思います。そこで、副業でよく出てくる所得税と住民税について、それから課税方法の違いについてご説明します。

 

①所得税とは

 

1年間の所得に対して、課税される税金のことを言います。所得税の対象になるのは、収入から所得控除や経費を引いた金額になります。累進課税制度になっており、所得が高くなるほど税率が上がります。

 

 

②住民税とは

 

住んでいる自治体が行政サービスを維持するために使われる税金です。市町村民税・道府県民税の総称になり、1月1日時点で住んでいる場所に納付します。

住民税は、1年間の収入から所得控除や経費を引いた金額に、さらに所得税を引いた残りの金額が課税対象になります。

 

税額は、所得の金額に応じて負担する所得割と、住民が平等で負担する均等割を合算した金額になります。

 

所得割…市町村民税6%+道府県民税4%=10%

均等割…市町村民税3,500円+道府県民税1,500円=5,000円

 

所得による区分けはなく、税率は一律です。

 

納付期間は、翌年の6月から翌々年の5月になるので、その年の所得にかかった税金を翌年に払うことになります。年によって収入の違う個人事業主の方や、会社を退職したサラリーマンの方は、前年の所得をもとに計算された納付書が送られてくるので注意が必要です。

 

 

  • 年間所得が20万円以下でも住民税は申告する

 

副業の収入が給与所得以外で20万円以下の場合、申告の必要がないのは所得税だけです。所得区分で住民税は所得が1円でもあったら申請をする必要があります。

 

住民税には特別徴収と普通徴収の2つの納付方法があります。特別徴収になっていると、会社の住民税と副業分の住民税が合算された金額が本業の会社に通知されてしまいます。

 

そのため、同じ給料でも住民税が変わるため、会社に副業をしていることが知られてしまうことがあります。

 

会社に副業を知られたくない方は、確定申告をしたときに住民税の納付方法を普通徴収にすることで、副業分の納付書が自宅に届き、会社に知られずに支払うことができます。

 

 

③副業の収入が1000万を超えた場合は消費税を納税する

 

副業の事業所得で年間売上が1000万円を超えた場合は、消費税の納税義務が発生します。利益額ではなく売上額が課税対象になるので、利益率が低い場合は注意が必要です。

 

例えば、年間売上額が1100万円で利益の金額が10万円だったとしても、88万円の消費税を払わなくてはいけません。猶予期間がありますが、もし1度でも1年間の売上が1000万円を超えた場合は、仮に翌年に事業の経営が赤字になったとしても納税義務はなくなりません。

 

 

2)税額

 

収入から経費と控除を引いた金額が課税所得になり、この金額に対して所得税と復興特別所得税(2037年まで)が課税されます。

 

所得税額は所得金額によって5%から45%まで7段階に分かれており、金額は次の速算表を使うと簡単に求められます。

 

 

課税される所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え 330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え 695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え 900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え 1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

(引用:国税庁HP)

 

実際に所得税額を計算するのは次のようになります。

 

課税される所得金額×税率-控除額=①所得税

所得税額×2.1%=②復興特別所得税

①+②=所得税額

 

 

例)課税される所得金額が300万の場合

 

3,000,000×10%-97,500=202,500円

202,500円×2.1%=4,252円

202,500+4,252=206,752円

所得税額=206,752円

 

 

8納税方法

 

 

 

 

 

 

1)確定申告期間と申告方法

 

2019年の確定申告の期間は2月18日(月)~3月15日(金)です。

申告方法は、以下の3種類あります。

 

①所轄の税務署に直接行く

 

所轄の税務署へ行って確定申告をします。個人事業主の届け出を出してあれば、書類一式が郵送で送られてくるので、自宅で書類を作っていくこともできます。初めての場合やよくわからない場合は税務署の担当者に聞きながら書類を作成することもできます。

 

②所轄の税務署へ郵送で書類を送る

 

確定申告の書類は郵送で送ることも可能です。3月15日が確定申告の期限なので、その日の消印があれば有効です。

 

③ネットで確定申告をする

 

e-Taxというオンラインサービスを使えば、自宅に居ながら確定申告をすることができます。確定申告の書類は必要ありません。

 

 

2)確定申告で漏れがあると追徴課税がある

 

確定申告で所得の申告漏れがあった場合や、確定申告の期限に間に合わなかった場合は、追加で税金を払うことになります。無申告加算税と呼ばれ、納付しなければいけない税額が50万円以下の場合は15%、50万円を超えた分の金額には20%がプラスされてかかります。

 

もし、税金を払いたくなくて意図的に所得を少なくしたり、確定申告をしなかったりした場合には、さらに税率の高い重加算税が課税されます。その税率はなんと、納付しなければいけない税額に対して35%または40%になります。

 

所得を隠しても結果的には大きな損をしてしまうので、確定申告は確実にしましょう。

 

 

3)証券口座別の納税方法の違い

 

株や投資信託を運用する場合に必要な証券口座には、特定口座(源泉徴収あり)、特定口座(源泉徴収なし)、一般口座の3種類があり、どの口座を使うかによって納税方法が変わってきます。

 

・特定口座(源泉徴収あり)

譲渡益が出るたびに利益から源泉徴収され、証券会社が代わりに納税をしてくれるので、たとえば、年間の利益が300万あったとしても、確定申告をする必要がありません。

 

・特定口座(源泉徴収なし)

譲渡益からは源泉徴収が行われないので、証券会社が作成する特定口座年間取引報告書をもとに自身で確定申告をします。

 

・一般口座

証券会社のフォローは一切ないので、自身で年間の売買取引から損益を計算し、確定申告を行います。

 

 

証券口座については、別の記事で詳しく紹介しています。

 

 

 

9、まとめ

 

副業や投資での収入にかかる税金について説明しました。日本では、副業や投資などで本業以外の収入を得ることが、もっと一般的になってくる傾向にあります。副業や投資による税金の計算も、ある程度知っておかなければいけません。

 

税金関係は「知らなかった」では済まされないことです。所得漏れがあれば、脱税や追徴課税のリスクもあるので、正しい知識を身に付け対応していくことが大切です。

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